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恐怖の振子(1961年)

この映画をみるまで、ロジャー・コーマンのホラー映画がこんなにおもしろいってことを忘れてました。ミステリチャンネルでやってたんで、ついついみいってしまった次第。

原作はエドガー・アラン・ポー。「早すぎた埋葬」と「陥穽と振子」を一緒くたにして、さらに中世異端審問や拷問部屋といった作品外の要素を映像にもりこんで、通俗的に脚色しているので、想像以上に濃厚なゴシックホラーになっています(ポーの原作は、あくまでエレガントな怪奇譚なんですけど)。

絵本に出てくるようなまがまがしい古城、白い長い衣装をひきずって夜の闇を徘徊する美女、陰のある登場人物、彼らのおもわせぶりな会話。古城の地下には地下室があって、蜘蛛の巣がはっていて(なぜみんなわざと蜘蛛のはっているところを歩くのかな)、鍵のとざされた扉のむこうには悲鳴のきこえる秘密の部屋が……。悲鳴は異端審問の拷問で殺された人々の怨念なのか、姦通罪で惨殺された前の当主の妻の亡霊か、はたまた生きながら埋葬されてしまった美女のうめき声なのか。いかにもなセットにふさわしいお話がうれしい作品です。でも、イタリアン・ホラーとちがって、転ぶたびに美女の衣装がはだけたりしません、念のため。

ヴィンセント・プライスの怪演(気弱なトラウマ男と、狂気の異端審問官が交錯するところの演技がすごすぎ)、バーバラ・スティールの「恐ろしいような美貌」(←文字通り)がたまりません。しかし、この映画の主役は、つじつまのあわない間取りの、どこまでも深く地下にむかって階段がのびているらしいセットの古城と、どういうしくみなんだかイマイチよくわからない(わからないからなお怖い?)大仰なギロチン振り子でしょう。つくりものらしいセットのほうが、リアリティがないぶん、幻想的で撮りようによっては美しく、悪夢のように見えたりします。アメリカ映画なのに、このこてこてのヨーロピアンゴシックテイスト、これはいったいどこでとってたんでしょう。前年にとったイタリア映画「血塗られた墓標」にまけないくらいよくできてます(一説によると、アッシャー家の崩壊のセットのつかいまわしだそうですが。アッシャー家はダンジョンか?)。

ともすれば雰囲気だけのこけおどしで終わってしまいそうなこの映画を、見た人が一度みたら忘れられない一作にしているのはラストシーンです。あのワンショットが喚起するものこそ、真の恐怖のみなもと。「世にも怪奇な物語」の鞠をもった少女と同等のインパクトを持ったバーバラ・スティール嬢の瞳が……。
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by supersonicxxx | 2005-03-21 23:51 | 映画一般